熱伝導率・熱容量とは?その数値と断熱材との関係をご紹介!

熱伝導率・熱容量とは

大きな温度変化を起こしやすい外気から、建物を守るために用いられる断熱材の存在は、建物にとって必要不可欠です。断熱材が使用されることで私たちは、建物の中で快適に過ごせます。その断熱材の性能を表すのが、熱伝導率や熱容量と呼ばれる値です。ここでは断熱材にまつわる、それらの数値について紹介をいたします。

熱伝導率とは

物質はみな熱を伝える働きがあります。断熱材もまた熱を伝える性質があるのです。熱を伝えるのが遅いほど、断熱材としての優れた性能をもつようになります。その熱の伝えやすさを表現するために、科学的に定められた「熱伝導率」という基準があります。まずその熱伝導率の定義について、ご紹介をしましょう。

 

熱伝導率λ(ラムダ)の定義

物質を通しての熱の伝わりやすさは、その素材の厚さによっても変わっていきます。素材の厚さが異なれば、異なる物質のそれぞれがもつ熱の伝えやすさは、直接比較できません。熱の伝えわり方を表す数値を表現するのに、厚さを一定にする必要があります。そこで熱伝導率を考えるうえで、素材の厚さを1mと取り決めています。

厚さ1mである物質の片側の面にある熱が反対側の面に伝えるのに、その温度が1K(ケルビン)(1℃と考えてもよい)変化させるために必要な熱量のW(ワット)数を、その物質の「熱伝導率」といいλ(ラムダ)で表すのです。単位はW/mK(ワット毎メートル毎ケルビン)となります。

 

熱容量とは

断熱材と熱との関係において、利用される数値として「熱伝導率」の他に「熱容量」というものがあります。「熱容量」はその素材がどれだけ熱をため込められるかを、表す能力値です。熱容量の大小を知っておけば建材として利用するのに、適している素材なのかを判断できるでしょう。次に熱容量とは何かについて、ご紹介をいたします。

 

熱容量の定義

熱容量とは、その物質の温度を1K(ケルビン)(1℃と同じ意味)上げるのに、どれぐらいの熱量が必要なのかを表す数値です。熱量はジュール(J)を用いますので、単位はJ/K(ジュール毎ケルビン)となります。熱容量自体を表す記号はCです(英語のheat capacityが由来)。

 

比熱と熱容量

熱容量は同じ物質であっても、その質量(重さ)に比例して大きくなります。そのため異なる物質で熱容量を比べるためには、等しい質量(重さ)における熱容量をみなければなりません。

まず物質1gを温めて、その温度を1K(ケルビン)上げるために必要な熱量を考えます。それをc(熱容量のCは大文字ですが、これは小文字です)で表し、その物質の「比熱」とよぶのです。単位はJ/g・K(ジュール毎グラム毎ケルビン)とします。

つまりその物質の質量をm(g)とすると、「C=mc」という式が成り立ちます。

 

断熱材と熱伝導率・熱容量

断熱材と熱伝導率・熱容量

建材で使われている断熱材は、建物の中の熱の動きをコントロールするために使用されるものです。そこで大切になるのが、建材で用いられる物質の種類です。その物質が持つ熱伝導率や熱容量により、建物内の温度をコントロールする能力の違いとなって現れます。次に熱伝導率や熱容量と、断熱効果との関係について紹介をいたしましょう。

断熱材と熱伝導率

熱伝導率は伝わる熱の量を表す数値なので、値が大きいほど、熱が伝わりやすいという意味になります。断熱材の場合λ値が小さければ小さいほど、断熱材としての性能がよいのです。

熱伝導率はAからFまでのランクに区分されており、AランクはさらにA-1とA-2のふたつのランクに分けられています。Fが最も熱伝導率は低く、断熱材として優れた性能を発揮することになります。最も伝導率の高いA-1が最も早く熱が伝わるため、断熱材の性能としては劣ると考えられるでしょう。

熱伝導率が低い素材を屋根の下に張ると、夏に強い日差しが照りつけるときも、それによって発生する熱が建物に侵入するのを防げます。建物によっては、夏になると室内の暑くなる建物があるものの、断熱材を利用することによって暑さを軽減させられます。そうすればクーラーの負担や、光熱費も抑えることにもつながるでしょう。

 

断熱材と熱容量

たとえば同じ温度同士でも、多い量の水が少ない量の水よりも温めにくいのです。また多い量の熱湯が、少ない量の熱湯よりも冷めにくいものです。こういった例は経験的にわかる話でしょう。

これらは少ない量よりも、多い量の水や熱湯の方が、貯め込める熱の量が多いことから起こる現象です。このように熱容量が大きい物質は、自身の中に熱をキープする力に優れ、その場は温まりにくく冷めにくくできます。つまり「温度変化を緩やかにできる」や、また「急激な温度変化を防げる」というメリットがあります。

熱容量の大きな断熱材を用いると、夏場の日中の大きな温度変化を防いだり、冬場に室内の暖かさを屋外に逃しにくかったりするのです。快適な室内環境を実現する断熱材を選ぶ際に、これらの数値は参考になります。

 

まとめ

断熱材の能力は、その素材として用いられる物質で決まります。数ある値の中で、熱伝導率や熱容量などが断熱効果を判断するものです。これらを参考にして素材を決めていきましょう。断熱効果は、建物の現状や地域の気候などによって多少異なります。そのため地元のプロのアドバイスを聞いて選ぶと、間違いが少なくなるでしょう。

「西日本エコ断熱株式会社」は、関西エリア・四国エリア・東中国エリアを中心として、お客様のご要望に沿った断熱材を提供いたします。年々その技術は向上しており、開発・改善も進行中です。最新の断熱材も用意いたします。建物の断熱材をお考えの方は、ぜひともお気軽にお問い合わせください。誠意をもってお応えいたします。

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