住宅の気密性を高めてくれる断熱材にはさまざま素材があり、それぞれにメリットや特徴があります。環境にも人にも優しい断熱材が誕生し、脱炭素社会を目指すために断熱施工による省エネ住宅への変換が加速しているのです。しかし、ホルムアルデヒドなどの化学物質を使った断熱材などは、健康への影響が不安に感じる方もいるかもしれません。
安心して暮らせるためにも、断熱材はどのような成分で作られているのか知ることが大切です。そこで今回の記事では、断熱材の素材による成分や安全性について詳しく解説していきましょう。
繊維系断熱材の特徴と安全性
ガラスを繊維状にして、繊維のすき間に空気を閉じ込めた断熱材になります。ここでは、健康への影響についても配慮されているガラス繊維の安全性について、詳しくみていきましょう。
グラスウール
断熱材の代表格とも言える「グラスウール」は、お手頃価格の断熱材です。グラスウールはガラス主原料にしており、同じ繊維状物質であるアスベストとは全く別物にあたります。発がん性のリスクはなく、コーヒーよりも安全性が高いとされているのです。
また、ホルムアルデヒドの量は極めて少量で、建築材料の中で最も放散量がすくないことから、使用制限なく色々な部位に使うことができます。ただし、施工の際にきちんと吸湿シートで覆われていない、すき間が生じていれば、結露がしやすくなるため注意が必要です。
ロックウール
石綿の一種であるロックウールは、鉄炉スラグや玄武岩などが原料となり、加工して作られています。空港などでも利用されているほど、優れた収音性能をはじめ、断熱性能があるのが特徴です。鉱物を原料としているため、害虫にも強く、燃えにくい高い断熱性能がある素材になります。
触れるとグラスウールと同様に、チクチクしてかゆみを感じてしまうこともあるでしょう。
セルロースファイバー
古紙を再利用した繊維で作られたセルロースファイバーは環境に優しいだけでなく、防火性能や害虫予防にも効果を発揮します。さらに調湿性に優れていることから、結露対策にピッタリな断熱材です。吹付けで充填するため、細かい場所もしっかりカバーでき、スキマをつくることなく高い気密性を保持できます。
高い気密性で結露の心配もないため、カビ発生もなく、健康な室内をキープできることから、オールマイティーな存在として利用されているのです。
天然素材系断熱の安全性
環境に優しく無添加で自然素材を利用した断熱材は、他と比べると高価になります。ここでは、人にも環境に優しい天然素材系の断熱材について、詳しくご紹介していきましょう。
炭化コルク
コルク樫の端材を利用して炭化させた断熱材になります。ワインの栓などに使われている素材の中には、空気をたくさん含んでいるため、断熱性能はもちろん、調湿、吸音の性質が高いのが特徴です。原料のコルク樫は防虫効果を兼ね備えており、ダニを寄せ付けません。端材を使用していることから環境に優しく、ダニなどのリスクはないでしょう。
羊毛
その名の通り、羊毛を使用して羊毛服をリサイクルしたものが断熱材になっています。羊毛特有の高い断熱性をはじめ、耐久性があるのもメリットです。湿度を一定に保つ調湿性に優れて、結露対策にピッタリな断熱と言えるでしょう。
また、半永久的に続く体に優しい防虫処理を施されているのも、健康への影響をきちんと考えて取り組んでいます。
針葉樹などの木繊維
天然の針葉樹の端材が原料の木繊維断熱材は、接着剤やホルムアルデヒドなど、防蟻処理も含めて有害な化学物質は使用していません。安心して暮らせる成分はもちろん、水や空気などの環境に配慮した製造工程で管理されています。さらに、各種エコロジー認定を受けており、オーガニックな断熱材です。
まとめ
断熱材は住宅を高密度、高性能へとつくることができる、快適な暮らしに欠かせません。外気との気温差による結露の心配もなくなり、カビによる人体の影響を防ぐことができるからです。一昔前の断熱材にホルムアルデヒドが深刻な影響を与えていたため、断熱材が安全かどうかを不安に思う方もいるかもしれません。
しかし、近年さまざまな素材の断熱材が開発され、人だけでなく環境にも配慮した資材もあるのです。防火性能を持つ断熱材は万が一の火災時も燃えにくく、有毒ガスを発生しないなど安心して住宅を包み込んでくれるでしょう。このように、断熱材は素材によって安全性は異なりますが、気密性を高めるのに最適な資材が豊富にあり、私たちの暮らしをより良い環境に作り上げてくれるのです。
「西日本エコ断熱株式会社」では断熱専門の施工会社として、人にも環境にも優しい「シュタイコ」を取り扱っております。このような魅力的な断熱材をはじめ、豊富な知識と経験によってお客様に最適な資材をご提案いたします。断熱材の素材にこだわりたい方、安全性を重視した断熱施工をご検討しているという方は、ぜひ当社へお気軽にご相談くださいませ。
